学校長あいさつ

 

 本校は、大正14年に開校した宮城県鹿又実科女学校にはじまり、その後、幾多の変遷を経て、平成24年4月に宮城県石巻北高等学校に改称するとともに、石巻地域で初めての総合学科の高校となりました。この4月で創立99年目となる伝統校です。

 本校の総合学科では、1年次で自己の適性や関心などを見つめながら、将来についてじっくりと考え、2年次から食農、家庭、経情、教養及び進学という5系列に分かれて学習を進め、進路の実現に努めます。

 

 近年のAIなど情報技術の進化は、私たちの身近な社会や生活に、急速で激しい変化をもたらしています。そのため、問題の解決に必要な思考力や判断力、問題の解決のために他の人と協働できる力、その時々に必要なことを自ら学ぼうとする主体性などの、将来の社会を担う市民として、社会の変化に対応し、よりよい人生を作るために未来を切り拓く力を育成することが、現在の高校の大きな使命となっています。

 

 本校では、各系列の特徴を生かしながら、近隣の小学校、保育園と連携した授業や他の高校と連携した商品開発、近隣の高齢者施設などでのボランティアを経験するもの、多様な資格取得への支援や地域の大学との連携事業など、地域や社会の中で学んだり、より高度な学問に接したりしながら、知識を覚えるだけで終わらせるのではなく、現実に知識を使いながら、その有用性に気付けることを重視した学習を工夫しています。

 その中でも、地域交流販売所「と・ら・ま・い」では、本校で栽培した農産物や、それを原料にした加工品を販売したり、それらを用いたレシピを考案して試食品を提供したり、当日の販売・接客や広報を行ったりするなど、総合学科の特徴である幅広い専門的な学びをフルに生かしながら、生徒が実践的に学んでいます。

 この「と・ら・ま・い」は、例年5月から12月初旬までの間、月2回程度、午後4時頃から開催しています(今年度の開催日程は、ホームページで御確認ください。)ので、ぜひ皆様も本校生の学びの成果を楽しんでいただければと思います。

 

 本校の校章は北上川の流れをモチーフとしています。この北上川のように、とうとうと尽きず、淀まず、ひたむきに、生徒が自らの夢の実現に向けて、その可能性を広げられるよう、そして地域の皆様の期待に応えられるよう、教職員一同努めてまいります。ぜひ、本校の教育に御理解と御協力をお願いするとともに、本校で懸命に学ぶ生徒を温かく見守っていただければと思います。

 

                宮城県石巻北高等学校  校長  三宅 裕之