学校長あいさつ

 

 令和7年4月1日に母校である本校に校長として赴任いたしました。本校は、大正14年、1925年4月に鹿又実科高等女学校として開校し、いくつかの変遷を経て、河南高等学校に至り、平成22年4月に、石巻地区由一の総合学科として、現在の石巻北高等学校へと校名を変更しました。また同年に同じ学び舎を分かつ飯野川校も誕生しました。そして、この年で百周年の節目を迎えることとなりました。

                

 本校の教育課程の特色は「五つの系列」、すなわち「食農」「家庭」「経情」「教養」「進学」の各系列です。そして、この5つの系列が力をあわせて運営している「交流ひろば販売所『と・ら・ま・い』」は最大の特色となっています。この「と・ら・ま・い」では、販売日を設けて、校内で栽培した野菜や加工品を一般の方に向けて販売しています。販売日は毎回大盛況です。

 

 このような特色ある本校で生徒は何を学ぶのか。どのような力を身に付けるのか。私たち教職員はどのような生徒を育てていくのか。目標とするのは、

 主体性をキーワードとして、「『考える』ことをやめずに、『自分の答え』を出すこと。何度でも『挑戦」』し続けて、よりよい答えを出せる生徒を育てる。」です。

 入学式や全校集会の場では、学ぶ目的をイメージしてもらうため、そのきっかけになればとの思いから、

 一つ、「相手への思いやりを身に付けること。」相手を思いやるには「教養」が必要です。「教養」は心の余裕になります。例えば、相手を傷つけないように話すためには「言葉を選び、優しい表現」が必要です。また、人が嫌がることをしないようにするためには「豊かな想像力」を身に付け、「相手への配慮」を忘れない余裕が必要です。

 二つ、「何かのせいにしたり、相手のせいにしたりしない力を身につけること。」例えば、学校がつまらない、勉強がつまらないと思うとき、どうしても人は自分以外にその責任を押しつけます。そうではありません。これでは、自分の人生を誰かに委ねているだけです。自分の人生が自分以外の意思に支配されていて楽しいわけがありません。他人に自分の人生を奪われないように「知識を身に付け、その知識を経験で磨く」のです。

 三つ、「自分で決めたことに挑戦し続けること。」大人でも子どもで人は失敗を恐れます。自分ではできるつもりでやってみたら失敗して恥ずかしい思いをした経験をもつ人は多いでしょう。皆さん、失敗してもいいのです。大事なことは、失敗から立ち上がること。できないと決めつけないで、再び立ち上がり、成功に向けて挑戦し続けること。この「負けてたまるか」と、立ち上がるエネルギーこそが「学び」の瞬間です。挑戦もしない人が、挑戦している人の失敗を笑うことこそが、人として恥ずかしいことです。「立ち上がる学び」を知っている人は皆さんを応援してくれます。だから、皆さんは挑戦している人を応援できる、そんな人になりましょう。と呼びかけています。

 地域の皆様に愛され、生徒たちが誇りをもって、この学び舎を巣立てるよう教職員一同全力を尽くしますので、どうぞよろしくお願いします。

 

                宮城県石巻北高等学校  校長  小野寺 基好